PHP Online衆知に記事が掲載中② - 投稿 - 株式会社ヴァンヴィーノ

PHP Online衆知に記事が掲載中②

お知らせ

PHP Online衆知にて記事を掲載中

代表の杉田明子が収納デザイナーの仕事を選ぶまでの
自身の体験についての記事が掲載されました。
ぜひ、御覧ください。
https://shuchi.php.co.jp/article/6111?

全文をこちらでもご紹介致します。

 

夫が脳梗塞で倒れて始まった苦境…妻を支え続けた「片づけ」の力

<<生まれたばかりの赤ちゃんを抱えながら、脳梗塞に倒れた夫の看病生活、そして無理を押しての職場復帰――。

苦難続きの毎日が変わりはじめたのは、意外なほど身近なキッカケだった。自らの体験を活かし、現在収納デザイナーとして活躍する杉田明子氏に当時を語っていただいた。>>

 

ありふれた日常は突然にして崩れた

もしあなたの身に、自分一人ではどうしようもない答えの出ないトラブルが起きたとき、迷わず環境を整える選択をしてほしい。

すべてに絶望する前に、環境を変える勇気を持ってほしい。間違いなく、片づけには人生を変える力があるから――。

私は現在収納デザイナーとして、こう言いつづけています。

29歳の時、高校で体育教師をしている夫が脳梗塞で倒れました。ある朝、突然頭が痛いと床でのたうち回りはじめた夫。人生ではじめての119番、そして緊急手術。

医師からは「一週間程度、脳の腫れが引くまでは生命の危険がある。そこを乗り越えても梗塞が広範囲のため、どんな後遺症が残るかわからない」と告げられました。

そして実際に、目を覚ました夫は言語のすべてを失い「失語症」という後遺症を残すことになりました。

私のいつもの日常は一瞬で崩れ去りました。

このとき、産休明けで職場復帰をしてからわずか2週間。生後2ヶ月の息子を抱えていました。

仕事・育児・夫の闘病生活に毎日を追われるようになり、肉体的負担、精神的負担は日々増していくばかり。さらに夫のリハビリをするにあたっての問題も精神的な追い打ちをかけました。

脳梗塞の後遺症について日々調べ、医師をつかまえては質問攻めにしていた私は、脳の損傷は半年以内にリハビリに取り組めるかどうかで、予後が大きく変わるということを知りました。

しかし、手術をした病院ではリハビリを続けることができず、リハビリができる病院はどこも満床。いったん自宅療養で、あてもなくリハビリ病院が空くのを待つという状況の中、何を恨めばいいのか、どうすればいいのか、やり場のない気持ちを抱えて毎日を送っていました。

 

「今のあなたの部屋は、あなたの状態です」の言葉に落涙

その頃、日々の生活を送る家のなかがどうなっていたか――。生まれたばかりの赤ちゃんがいる幸せな空気感とはほど遠く、帰ってお風呂に入り寝るだけの家に成り果てていました。

保育園に持っていく大量の着替えや前かけ、夫の着替え、私の洋服が1週間部屋のなかに干しっぱなし。布団も敷きっぱなし。掃除もしていない。生活のことなど気にする暇もなければ、時間もありませんでした。

そんなある日、病院にあった雑誌のなかで「今のあなたの部屋は、あなたの状態です」という言葉に出合いました。目にした瞬間、涙がボロボロこぼれ落ちました。

当時の私は、あまり泣いていませんでした。泣くことも忘れていたような精神状態でした。そして私の身に起こっている混乱と家の混乱はまさに同じ状態だったのです。

この言葉に出合ったあと私はそのまま家に帰り、一心不乱に家のなかを片づけはじめました。

部屋に干しっぱなしだった洗濯物をたたみ、掃除機をかけ、キッチンも寝室も綺麗に片づけ、家中の掃除をしました。しばらく閉じられたままだったカーテンを開け、窓を拭き、ベランダも磨きました。

サッカー部の顧問をしていた夫のサッカーウェアやベンチコートも洗濯をしました。「ストッキングで磨くと綺麗になる」と、いつも古いストッキングをスパイク磨きに使っていた夫を真似てスパイクも磨きました。

もう一度ピッチに立って生徒を指導する夫の姿を思いながら……。気づけば明け方まで家を整えていました。

状況は何も変わっていません。それでも、家のなかを整えただけなのに、翌朝不思議と私の心はとても晴れやかでした。気負うことなく自然体で「また頑張ろう、頑張れそう」という気持ちになっていました。

 

夫の努力と周囲の優しさ

久しぶりに感じた明るい気持ちとともに病院に行くと、主治医の先生から「リハビリセンター病院が空いたよ」と告げられました。今ほどリハビリ専門の病院数は多くない当時、奇跡のような出来事でした。

夫のリハビリが無事に開始され、夫自身の配慮もあって、病院通いが週末だけになった私は日常生活にゆとりができはじめました。夫がいつ帰ってきてもいいように毎日掃除をし、朝はカーテンを開け、自分の食事もつくるようになりました。

息子を保育園に送り届けて会社に行き、帰ってからの息子との短い時間、ふたりだけの生活が寂しくならないように、明るい部屋をつくりました。息子とはよくおしゃべりをし、一緒に歌をうたい、絵本を読み聞かせながら眠りにつきました。

一方、夫は、1日2時間程度に限定されているリハビリ以外に、ナースステーションで看護師さんをつかまえては言語訓練をしていました。自主トレと合わせて1日8時間以上していたようです。

努力の甲斐もあり、日常生活に困らない程度に話せるまで回復した夫は、予定よりも1ヶ月ほど早く退院。執刀医の先生から「奇跡でしかない」と言われた回復ぶりです。

さらに二度目の奇跡が起きます。なんと勤めていた学校から「欠員が出たため、週に何回か出勤できないか」という打診があったのです。

本来、非常勤講師であった夫を切り捨てることは簡単だったはずなのに、籍を残してくださり、さらには「空きが出た」と連絡までくださいました。

学校に来たほうがリハビリになるだろうと、まずは実技の体育授業のみで受け入れてくださった先生方。そして変わってしまった夫を戸惑いながらも受け入れてくれた生徒のみんな。すべてが私たち家族の奇跡でした。発症から7ヶ月後のことです。

 

片づけには、人生を変える力がある

夫の回復は、今でも論文に出してもいいほど珍しい症例であったと言われます。私たち家族に起こった奇跡にはさまざまな要因があったでしょう。

それでも、あの日病院で目にした言葉に感情があふれだし、家のなかを綺麗にしたことで自分にとって何かが変わったことだけは間違いありません。

「目に見えるモノ」を整えることで、目に見えないことに影響が起きるという因果関係を証明することはできません。しかし、人間も物質も、最小単位まで分解すれば素粒子になる。家も地球も宇宙も同じと考えれば、共鳴し影響しあっていると考えてもおかしくないのです。

私が経験した、家族が大病をするということは、誰しも経験する可能性があります。若いうちに経験したことに意味があるとするなら、この経験を人生にどう活かすことができるか?

そう考えた私は、第2のステージとして家や職場の環境を整えるという収納デザイナーの仕事を選びました。そして言い続けています。「片づけには人生を変える力がある」と。

家庭だけでなく、職場でも。どうにもならないトラブルに思い悩むとき、ぜひあなたの周りを見回してみてください。

まずは目に見える部分から整えていきましょう。あなた自身が変える勇気を持ったとき、その一歩があなたの人生を大きく変えていくのです。

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